秘密のパリへ連れてって(8): Île aux cygnes(白鳥の島)
フランスダイレクトスクールのフランス語ブログマラソン第8周目です。
パリの真ん中を流れるセーヌ川にある島はご存知ですか?
1区と4区に位置するシテ島と4区に位置するサン=ルイ島は、パリ好きには有名な島かもしれませんね!観光でも人気の島ではないでしょうか?
今回、ちょっと不思議ちゃんで可愛らしい大学教授でインテリのアレクサンドル・レイモン氏が紹介してくれたのは、第3の島「白鳥の島=Île aux cygnes」。
(白鳥が居るのかな?と思いきや... カモメだけですけどねw)
こちらは15区と16区の間に位置するので、かなり西側です。
1年間パリに居たのに、しかも2ヶ月間16区に住んでいたのに...し、しらなかった!
話し手のレイモンさんは非常に表現力豊かに伝えてくれるので、修飾語が多く、ちょっと意味を捉えるのが難しい;
細かく読み解くと消化不良になりそうなので、今回の気づきを5つだけ上げてみます。
と、その前に、パリ15区(左岸・Rive gauche)とパリ16区(右岸・Rive droite)
の風景の違いをちょっと紹介。
こちらは16区。
典型的な落ち着いたオスマン建築(typiquement et benoitement Haussmannien)
住宅街で、シアターは1軒しかなく、公共のラジオ局(Radio France)があります。
こちらは15区。
モダンな建築が目立ちます。この赤っぽい建物はいったい何!?
(答えは後でね!)
***
(1) 動詞 emprunter の意味・使用方法を読み解きます。
1. 借りる(無料または利子を払って) →使用料を払って借りるのはlouer
Emprunter un livre à la bibliothèque.
図書館で本を借りる。
2. emprenter A à B:AからBを借用する、Bに由来する
Les Français emprunté de nombreux mots au grec.
フランス語は多くの言葉をギリシャ語から借用している(=由来している)。
3. (交通のために)ルート、道を通る
Le conducteur emprunte la voie de gauche.
運転手は左車線を走る。
Je emprunte la route nationale 1.
私は国道1号線を通る。
Nous avons emprunté un port tout à fait secret.
私たちは全くもって秘密の橋を通りました。
(2)bambin =鼻垂れ小僧、おちびちゃん<イタリア語>
語感がかわいかったので、覚えておきます。
(3) ~atre 〜に近い(がそれではない)...aシルコンフレクスとなる!
→英語の〜ish と同様、あまり好ましい感じでは使わない。
blueatre 青っぽい
rougeatre 赤っぽい
jaunatre 黄色っぽい
douceatre 甘みが薄い・濃すぎる 例)Le saveur douceatre 味わいの薄い
Il n'y a qu'un seul batiment rougeatre sur le Front de Seine.
フロン・ド・セーヌには、赤っぽい建物は一つしかない。
※Front de Seine(フロン・ド・セーヌ):15区の中のエリア名BeaugrenelleやJavelなどの場所をさす。Métro lign 10で行ける。
(4) 大意をつかむためのコツ
= 核<主語・動詞・目的語>をみつける。
Et donc, le batiment rouge<主語>,
quand vous viendrez à Paris,
vous le constaterez,
il n'y a qu'un seul batiment rougeatre sur le Front de Seine donc,
était<動詞> auparavant, en réalité, une dépendance de Nikko<目的語>,
la fameuse marque, si j'ose dire, japonaise.
そんな訳で、赤い建物は<主語>
もしパリへ来たら、
実際にご覧いただけると思います、
フロン・ドゥ・セーヌには赤っぽい建物は一つしかないことに、そして、
実は、以前は日航ホテルに属していたのです<目的語と動詞>、
有名なブランドホテル、あえて日本のと言いますと。
簡潔にすると
→Le batiment rouge était auparavant une dépendance de Nikko.
*constater :直接的な経験によって(事実などを)みとめる
*dépendance (de〜): n/f (宿やお城等に属する、付随する)建物や土地
*auparavant :以前は
大まかにわかってしまえば、わからない単語は、
Qu'est-ce que ça veut dire, "dépendance"?
(dépendanceはどういう意味ですか?)
というように訊けばいいですね!
(5) Radio France(フランス国営放送のラジオ局)とLa statue de la liberté(自由の女神像)の比喩表現
話し手のレイモンさんの大胆発言。
Paris on trouve le monde entier. パリでは、世界中のすべてがみつかる。
アメリカ合衆国 と ソビエト連邦が 同時にある、という喩え話をしています。
・「自由の女神」・・・アメリカ合衆国、自由、資本主義の象徴。
・「ラジオ・フランス」・・・1000人規模の従業員を抱える大会社、7つのチャンネルを持つ影響力ある公共放送、ということで共産国家の象徴。
すぐに、このことを理解するのは難しいですね...
でも、こういうウィットに富んだ会話についていけるようになってみたいものですね!
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こちらのビデオを解説してくれた西田講師によると、話し手の声の高低やスピードによっても意味を聞き分けるヒントになるよ、ということもおっしゃっていました。
枝葉末節にとらわれず、核をみつけること・・・長文を読んだり・聞いたりするときに心がけたいと思います♪
À bientot!